入れ歯でもブリッジでも、外見上では抜けている歯はないように見えます。
でも実際は見せかけだけで、普通に噛んでも問題ないかと言えば、実はそうではありません。
第一印象だけを気にするのか、もしくは噛むという歯の機能を気にするのかは希望だけでは判断できないかもしれません。インプラントは1本からでも手術可能ですが、現実には複数本の手術となるケースがほとんどです。高齢の方がインプラントを希望する場合が多く、埋入する必要があるインプラントが1本ではない方の方が圧倒的に多いからです。
また、大半の歯が失われている状態のことを多数歯欠損と言い、このようなケースではall-on-4といった特別な方法が採用されます。allon-4とは、歯がほとんどない方に行われるインプラント手術の最先端の技術です。
今までの方法ではインプラント1本に対して歯も1本でしたが、オールオンフォーでは4本ですべての歯を支えます。片顎に4本のインプラントを埋入し、すべての歯を支えるという手法です。
インプラントの埋入本数によって、all-on-6などと呼ばれることもあります。
インプラントは保険が使えないので、費用は高額になります。
でもだからといって、値段を最優先させてインプラントを選ぶようなマネは決してしないでください。表示金額以外のものを請求されたり、品質に大きな問題がある場合もあります。
インプラントを選ぶときに優先させるべきものは、何をおいてもきちんと任せられる歯科医かどうかを気にすることです。インプラントの治療期間が長くなる理由としては、埋入したインプラントと顎の骨が結合するのを待たなければならないからです。ソケットリフトなどの骨造成を行う場合には更に時間が必要となります。
長い場合には治療期間が3年に渡ることもあるようですが、完了後には生活の質が一変します。インプラントにすることで、美味しい食事が味わえます。
味は言うまでもなく、噛んでいるという実感や熱さや冷たさまで取り戻せます。固いものも普通に噛むことができるので、我慢していたものも食べられるようになります。
インプラントでは噛む力は自分の歯の80%まで回復します。技術力の足りない歯科医に当たってしまうと、せっかく手術したインプラントがグラついたり脱落したりする場合もあります。もちろん経験豊富な歯科医が施術してもそういったことは起こりえますが、その確率の差は言うまでもありません。
万が一の場合に備えて保証してくれるかどうかは手術前に聞いておいた方がいいでしょう。
インプラントは失った歯を取り戻すための治療ですが、同じような治療に入れ歯とブリッジがあります。
入れ歯もブリッジも保険が効きますので治療費は安く済みますが、それ以上にデメリットの大きさが際立つことも事実です。
共通しているのは、『噛めない』『痛い』ということです。
インプラント治療にもデメリットはありますがメリットの方がはるかに大きいという事実があります。
自由診療のために費用がかさんでも、治療期間が長期間にわたっても、外科手術の必要性があっても、それ以上に大きなメリットを享受できます。
入れ歯やブリッジはなくした歯を外見だけでしか補ってはくれませんが、インプラントは自分の歯と同じように噛めるという機能を取り戻すことができます。近頃では歯科医院でもインフォームドコンセントを徹底しているところが増えてきました。特にインプラントなどの治療費が高額になる保険が効かない自由診療を行っている歯科クリニックに多い傾向があります。
外科手術というリスクと高額な治療費、長期にわたる治療期間を考えれば、患者の立場からしてみればあって然るべきことのようにも思えます。